さて、
共生のための“法律”(=詩)を作って、歩いて行こう。
The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project
会期:2019年4月13日[土]─7月28日[日]
【The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project2019年4月13日[土]─7月28日[日]原美術館】#自然国家#原美術館#品川駅
「Dreaming of Earth Project(大地の夢プロジェクト)」の構想を可視化する展覧会。
「Dreaming of Earth Project(大地の夢プロジェクト)」
Korean War休戦後、65年余りの歳月を経て非武装地帯(DMZ / Demilitarized Zone)に生まれた豊かな生態系を守り、後世に残してゆくのか。生きとし生けるもの全ての共生を願って崔在銀(チェ ジェウン)が立ち上げたプロジェクト。アートを通じて平和を模索する。(今回の展覧会の発案・構成も彼女によるもの。)
プロジェクトの具体的な企画
- 空中庭園・東屋・塔の配置
- DMZ生命と知識の地下貯蔵庫
- 弓裔(クンエイ)都城の森の治癒
- 地雷撤去
(今回の展示では1~3がメイン)
非武装地帯(DMZ / Demilitarized Zone)
停戦ライン北緯38度線から南北2kmずつの帯状の緩衝地帯。1953年停戦後、軍事活動の許可は出ていないが約300万個の地雷が敷設。南北間の緊迫した状況が続いてきた。
現在では101種もの絶滅危惧種を含め5057種の生物が住む豊かな土地になっている。
「自然国家」
人間ではなく自然が治める国、崔の理想とする国のことです。崔が出した結論は、「自然国」の“法律”(=詩)の“創作”。
本展では、出品作家に加え、崔が信頼する人々が自然について思索し、共生のための“法律”(=詩)を作ります。それらは法律でありながら、鳥のさえずりや風にそよぐ草の音のように自然の一部となっていくことでしょう。
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プロジェクトの企画が達成され、地雷が除去された本来の姿になり、自然国家ができれば新しい夢ができあがる。この夢は現実可能な夢のように思えた。しかし、アートがDMZにその後、一体どんな結果を創り出すのかはわからない。DMZには人間、自然、戦争、平和、国などなどが、まるで糸が絡まってしまった解かれていない知恵の輪のように入り組んでいる。けれどもアートが持っている「介入する力」は確かなパワーと感じさせられる展覧会だった。
ヒトが放置したことによって豊かな自然が生まれる、と言うのは皮肉でもなんでもなくて、それが自然であり地球の営みだ。けれどもぼくたちは存在してしまっているわけで、じゃぁどうしようかと言うときに、ぼくらの創造力、アートが本当に試される時代になっているんだと思う。共生のための“法律”(=詩)は自然と人間だけでなく、人間と人間のためにもある。
日本に当てはめるて考えてみると真っ先に「福島第一原発と避難指示地区」だ。こちらは地雷ではなく放射線物質である。自然にどんな影響が出ているのかはわからない。けれどもどんなに時間がかかっても、その場所を再生させ、共生のための“法律”(=詩)を創作することが必要である。
それではお先に~(失礼します~)。