文化的オムニボア・ボヘミアンブロガーの僕は言葉を集めています。
さて、
そこに充実感が待っていることを知っているからです
ザ・ヒューマン
「世界中で愛される絵本作家 クリス・ヴァン・オールズバーグ」
『クリス・ヴァン・オールズバーグ』
映画化された作品のタイトルを聞けば、ほとんどの人が最低でも「あぁ〜聞いたことある。知ってる」となると思います。
- ジュマンジ
- ポーラーエクスプレス
- ザスーラ
ワクワクドキドキ楽しい冒険・子供向け作品。上映期間中はキャッチーで元気なテレビCMがバンバン流れていたこともあり、映像や音として記憶に残っている人が多いのではないでしょうか?
しかし、これらの原作者、正確には「絵本作家」の名前『クリス・ヴァン・オールズバーグ』知っている人数は、映画タイトルの知名度に比べればかなり低い。
絵本好き、そして村上春樹主義者なら知っているかもしれません。
なぜなら村上春樹氏はクリス氏のほぼ全作品の翻訳をしているからです(村上春樹を知らない日本人の大人は多分いませんね。笑)。
僕も絵本に興味があり、村上春樹主義者(に該当すると思います)ですので何度か手にとって、以下の『魔術師アブドゥル・ガサティの庭園』をパラ読みしたことがあります。
モノトーンの静寂した画面よって、呼吸することを忘れさせるような緊張感があります。
『エドワード・ゴーリー』や『ショーン・タン』の作品が好きな方はクリス氏の作品も好きになるかもしれません。
クリス氏は番組冒頭で「私の頭の中は映像にはならない」「僕の頭の中はアイデアでいっぱいだけど頭の中をお見せすることはできない」と言った。シャイでありながら絵本作家らしいウィットに跳んだ言葉を口にしつつも『絵本をつくるときにどんなことが起きてるか』教えてくれました。
(もしくはただ単にカメラに映るのが好きではないのかもしれない。その点において春樹氏との共通点を感じました)
絵本をつくるときにどんなことが起きてるか
- スケッチ
- 写真撮影
40年来の友人にモデルになってもらい、スケッチを現実に再現する。
自分のイメージ通りの写真が撮れるまで何度も調整する。
「私は緻密で細かいところにこだわる、リアルな絵を描きたいと思っている。だから、いつも細かな手の動きや表情を写真に収める」 - 下描き
撮影した写真を元にスケッチを修正。
(角度などを細かく直していました)
「完璧主義者が側にいるのは大変だろう。でも私にとってより大変なことは完璧とはいかないまでも自分が納得できるモノが作れないこと」
「ありもしないものを描くには自分の中で一定のルールが必要です〜中略〜全体的な視点を常に心にとめておきます」 - 輪郭線を引く
細部まで描き込んだ下絵をカーボン紙を使ってトレースする。 - 着色
「私には先に作品の完成イメージがあります。十分な時間をかけて取り組めば、私の頭の中だけに存在しているものを現実のものにできると分かっています。作品には時間を閉じ込めることができます。私は描くときに少し飽きたときでも、モチベーションやひらめき失いません。完成した作品を見れば、そこに充実感が待っていることを知っているからです」
*
ゆっくりと注意深く喋る姿が印象的だった。2階から目薬をさすように、正確な分量の一滴を寸分狂わさずに狙いに当てるために言葉やテンポを選んでいるようでした。
クリス氏の奥さんが、夫の性格は「心配性」と言っており、喋り方は性格をよく表していました。そしてクリス氏の内なるイメージを彼自身が逃さないように強く握り締めているようにも見えました。
クリス氏はまるで機械や建物の設計図を描くかのように線を引いたり絵筆、色鉛筆を動かしていました。彼に見た目も絵本作家と言うよりも(一般的な絵本作家像とはどんなもだろうか?) 、むしろ精密な思考をする技術者でした。
メモ
- ナイトスタンドのメモ
寝る前に今日1日を振り返る。そうするとアイデアが浮かんで来ることがある。それをとっさにメモに残す。 - 家
郊外にあるアメリカンながっしりとした大きな家に暮らしていた。 - 母親にあげたカモノハシの置物
ずっとキッチンに置いていた。 - 娘にほぼ毎日送っていた手紙
-
子育てで学んだこと
「私たちは直感的に自分の人生で起こったことを繰り返す生き物だと言うこと。かなりの確率で親がやっていたことを自分が繰り返すという意味」
end...
それではお先に(失礼します)!!
天貫勇
以下も村上春樹訳