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Written by MICHIRU〜2020年4月号#2【< フランス人気質とオクトーバー・フェスト、そして眠りながら見るほうの夢 >スペース・コインランドリー図書室+α】

 

依然として新型コロナウイルス感染症が猛威を振るう20204月。

47日から7都府県に「緊急事態宣言」がなされ、416日には対象地域が全国に拡大。そんな1ヶ月の読書感想。

今回のシンクロポイントはフランス人の国民性と強いて言うならもう1つ。

 

ミチル

 

 

< フランス人気質とオクトーバー・フェスト、そして眠りながら見るほうの夢 >

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シンクロポイント No.1「オクトーバー・フェスト」

 

ここでは日本で行われたドイツのビール祭りのこと。

『彼女は頭が悪いから』では(後々考えれば)地獄の入り口として、『どこか奇妙な恋物語』では思い出の断片としてさらっと、出てくる。

 

『彼女は頭が悪いから』 姫野カオルコ

胸糞悪い読後感! 2016年に起きた、東大生強制わいせつ事件に着想を得た書き下ろし小説。

 

『どこか奇妙な恋物語』 晋藤歌六

献本プレゼントに当選。やったね♪

謎の企業、スワン・コーポレーションに関わった人々の交々。

 

 

 

 

そしてもう1つは、

シンクロポイント No.2「フランスで暮らした経験のある2人の日本人女性から見たフランス人の気質。」

 

『シャーデンフロイデ 他人を引きずり下ろす快感』 中野信子

の中では

  • 自分のやりたいことは人がどう感じようとやるのがフランス人。

  • その代わり、誰かが自由に行動した結果、自分が迷惑をかけられることに対しては寛容。

  • 不倫についても当然、実に寛容。

 

※「シャーデンフロイデ」=他人を引きずり下ろしたときに生まれる快感。

 

『選ばれる女におなりなさい デヴィ夫人の婚活論』 ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ

の中では

  • 政治的な流刑者に寛容なフランス。

  • フランスでは夫婦は結婚してからのほうが緊張感を持つ。

 

と語られる、なんとも寛容そうなフランス人。

しかし一説によると日常茶飯的に逆ギレするらしい。ややこしや。笑

 

 

 

その他、読んだ本。

『寝取られた男たち』 堀江珠喜

タイトルは興味を引くものの、内容的にはちょいちょい挟まれる著者の知り合いの話で散漫な印象。

 

『ショート・トリップ』 森絵都

旅をめぐる48話のショートショート集。好みのものチラホラ。

 

『休日が楽しみになる昼ごはん』 小田真規子、谷綾子

休日の昼ごはんだけにとどまらず、平日の晩ごはんでも十分いけそう。

 

『とにかく盛り上がる夜ごはん』 小田真規子、谷綾子

 

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』 佐藤航陽

201711月の出版だけれど今でも十分面白く読める。まだまだ過渡期。

100年後の日本人の価値観はどう変化しているだろう。

 

medium 霊媒探偵城塚翡翠』 相沢沙呼

最終章でガラッと変わる展開は面白い、けれど同章で収束させるためのバタバタ感とあっけなさが勿体無い。

続編はあるのかな?

 

『百合のリアル』 牧村朝子

自分で選び取った名前は「アイデンティティ」、他人につけられた名前は「カテゴリ」。100人いれば100通りの恋愛観や人生観。

いつ、どう変化したっていい。人間だもの。

 

『百合のリアル 増補版』

 

『もう二度と食べたくないあまいもの』 井上荒野

男女にまつわる10話の短編集、淡いものから深いものまで。

「奥さん」「裸婦」が印象に残る。

 

 

 

 「眠りながら見るほうの夢」

『悪夢障害』 西多昌規

「寝つきが悪い」「眠れない」「途中で目が覚める」など睡眠に問題を抱える人は大勢いるが、なかでも無視できないのが悪夢。

「悪夢障害」とは「極度に不快な夢を繰り返し見ることで睡眠が妨げられ、日常生活に支障が出る」病であるが、この生涯有病率は7割以上ともいわれている。

悪夢はうつ病の前兆でもありうるため、軽視は危険。また悪夢を見て叫ぶ場合はパーキンソン病などの可能性もあるので、注意が必要だ。

悪夢にまつわるすべてを網羅した一冊。

 

これを読んで、途切れていた夢日記を再開してみる。

あと、映画『インセプション』が観たい。

悪夢はうつ病のサインの可能性がある一方、癒やしと回復の効果もあり、まだまだ未知の領域。

 

同書の「夢の中でアイデアが浮かんだ芸術家たち」という章から、一部抜粋

 シュールレアリストの代表格であるサルバドール・ダリ、さらにはマックス・エルンスト、ルネ・マグリットらは、「夢は、目覚めているときよりも、真実の意識状態だ」という信念のもと、夢で得られる着想を重視し、大胆な発想で表現した。

 

 

《恋人たち》 ルネ・マグリット(1928年)

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疫病の蔓延、Social DistancingNew Normal

こんな状況を予見していたかのようなシュールレアリスムの巨匠、ルネ・マグリット。

夢から着想を得ていた彼にはこんな未来の我々が視えていたのかも?

 

 

finish

 

▼筆者紹介▼

  • a writer:ミチル

  • 属性:Sexually fluid

  • ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている

 

 

▼ Written by MICHIRU:過去記事▼  

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Written by ISAMU <パラサイト・コインパーキング編集部>

  • 他の姫野カオルコ作品も表紙絵からして気になります。

  • フランス人の気質を照らし合わせてみるると、デヴィ夫人は生粋のフランス人女性に思えます。

  • 果たして「選ばれる女性」にはなろうとしてなれるものなのでしょうか?選ばれし者は生まれながらにして何かによって既に選ばれているのではないでしょうか?そして選ばれる人間になった先には何があるのだろうか?

  • 百合⇄薔薇

  • もう二度と食べたくないほどのあまいものを下半期には食べたい。

 

 

 

どんな悪夢にうなされても、見方を変えれば素敵なアイデアを受け取ることができるのかもしれません。

だから、ある意味で悪夢なんて存在しない。

「夢は、目覚めているときよりも、真実の意識状態だ」というのは正しいと思います。せいぜい自分が意識的にも無意識的にも考えていること体験したことが反映されていますから、夢にまで出てくるのはよっぽど自分が執着している事柄だからです。

(寝ている時に脳が記憶を定着させるために見ているのが夢だとか言うのはなんだか夢が覚めますが。笑)

なのでよっぽどの選ばれし者じゃなければ予知夢なんて見ることはありません。

 

 

天貫勇