2020年11月はカテゴリーを超えてのシンクロナイズド、小説と映画の融合。
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- スペース・コインランドリー図書室 & 視聴覚室
- < ピエタと産婦人科医、名前の一致と職業の一致 >
- 【 図書室 】
- 【 視聴覚室 】
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- Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
スペース・コインランドリー図書室 & 視聴覚室
< ピエタと産婦人科医、名前の一致と職業の一致 >
- 小説『ピエタとトランジ』、映画『嘆きのピエタ』のピエタという名称の一致。
- 小説『ピエタとトランジ』、映画『甘い鞭』どちらの主人公も産婦人科医という職業の一致。
「ピエタ」
イタリア語で、哀れみ・慈悲などの意。
聖母子像のうち、死んで十字架から降ろされたキリストを抱く聖母マリアの彫刻や絵の事を指す。
【 図書室 】
以前テレビで見聞きしたパンダのある生態の記述をずっと探している。嗚呼、奥深しパンダの世界。
まずはタイトルと表紙のインパクト。集団練炭自殺の最中に銃撃事件を目撃、それをきっかけに死ぬから生きるに切り替わるスイッチ。人間とは現金なもの。結局、一番往生際が悪いのは誰なのだろうか。
キネマの神様はやさしくて残酷でときに奇跡を起こす。ギャンブル依存の父、無職の娘、そんな2人が愛して止まないのが劇場で映画を観ること。ここにはそんな2人に共鳴したかのようなキネマの神様が起こした奇跡が書かれている。残りのページが少なくなるにつれ、ああもう終わってしまう、と物語を惜しむような気持になる。読み進めるにつれ郷直のセリフが志村けんさんの声で聴こえてくる。志村さんが演じる郷直、観てみたかった。
アルツハイマー型認知症を患った父とその介護に心血を注ぐ母、3人の娘たちや孫たちの10年。著者自身の経験がもとになっているとのことで臨場感がある。たとえ本人にはわからなくともこの人は愛されている。大変だけれど、よい話だった。
野望を胸に秘め古畑任三郎のような赤ずきん、新しい。最終章が読みごたえがあって、前作(『むかしむかしあるところに、死体がありました。』)より好み。蔦模様の入った赤い見返しが紙フェチとしてはたまらない。ずっと触っていたい。
全てを一遍には無理だから、できることからぼちぼち取り入れてゆこうと思う。
サスペンス・ミステリ「熱帯夜」、近未来ディストピア「あげくの果て」、ゾンビもの「最後の言い訳」を収録。ゾンビものはもともと好きだけれど、ディストピアものも好きなことに気づく。
シリーズ最新刊。いつものように楽しく読んだけれど、今回は密度というかボリュームというかちょっと物足りない感じも。もしや、小鳥の旅立ちも近いとか!?
どうやって「最後に笑う女」になったのか?逆境をものともせず、自分の人生をつかみとっていく女性9人の姿をリアルに描いたインタビュー・エッセイ第3弾。……あ、コレ第3弾なんだ。
中国古来の知恵「風水」が英国人女性というフィルターを通して「スペース・クリアリング」として日本(だけではないけれど)にもたらされる不思議。部屋も体も心もすべて繋がっている。ぜーんぶまとめてスッキリ綺麗にしたい。いや、する!
頭の良い人なのだろうなと思う。いろいろと印象的な言葉があったけれど、一読して一番残っているのは「子どもにとって、親はインフラ」というフレーズ。芸人活動に限らず、何かを変えてくれそうな彼女の今後の活躍にも期待したい。それから、3色のスピンやピンク色が印象的な装丁もステキ。
ピエタ(慈悲)とトランジ(罪を告白し救済を求める)。天才的な頭脳を持つ探偵かつ事件を誘発させる体質のトランジと、その助手に名乗り出たピエタ。周囲で続々と人が死んでゆく彼女たちの、高校二年生の春から八十歳をとうに超える年ごろになるまでの道行き。彼女たちの心根はいくつになっても、きっと同じ。
【 視聴覚室 】
ヴァンパイア×ロック・ミュージックで、なぜかコメディ・テイスト。
売れないバンドのメンバーの1人(女性ベーシスト)がヴァンパイアになったことで一夜にしてバンドはブレイク。ヒト⇔ヴァンパイア間の行き来が自由で何でもあり。これなら一度ばヴァンパイアになってみたいかも。個人的にはイギー・ポップやアリス・クーパー(どちらもロック界の大御所)がちゃんとセリフを覚えて演技をしている姿を見られただけで感動。
津川雅彦氏の遺作となった短編映画。
17分にも満たない映像の中に、高齢化、独居、思い込みや偏見、異人種交流などいろいろ詰め込まれている。「ショートショートフィルムフェスティバル&アジア2017」で、ジャパン部門オーディエンスアワード受賞。監督の三宅伸行氏は、ほとんどセリフのない役であるため、自分じゃなくてもいいのではと渋る津川氏を説得するのが大変だったらしい。
アクシデントをきっかけに気づくと森の中。迷い込み、抜け出せなくなった男女3人の行末。
見知らぬ森をさまよい辿り着いた小屋で出会った3人の男女。どうやっても森から抜け出すことができず、やがて互いの現在地や時代の認識にズレがあることが判明する。そこに新たな人物が現われ、生命の危機にさらされながらも3人は思わぬ事実にたどり着く。なるほどねー。主演の1人はクリント・イーストウッドの息子のスコット・イーストウッド。
生き別れた父親に会うために港町を訪れた17歳の少女とその友人のひと夏を描いた文芸エロス。
父親の居場所は探し当てたものの娘と名乗ることに怖気づき立場を入れ替わり娘の友人として再会する。もうこれだけで波乱の予感。加えて入れ替わった友人は美人で奔放、おまけに父親に興味を持ち始める。ファザコン気質の友人と無骨な父親、友人に夢中な現地の青年、つんけんと攻撃的で痛々しい娘。ファザコン娘(友人)と無骨な父親のその後が気になる。
R15+のピンク映画。『ペッティング・レズ 性感帯』を後に改題。
同性間・異性間性交、三角関係、殺人、脱獄、また殺人。国内作品なのに出演者が誰もわからず奇妙な心地。主演はその世界では伝説的女優と言われている林由美香。タイトルだけは知っていた『あんにょん由美香』は彼女のドキュメンタリー映画らしい。ちなみに彼女は30代半ばで亡くなっている。
天涯孤独に生きてきた非常な借金取り立て屋の男のもとに、ある日母親だと名乗る女が現れる。
誰をも信じず荒んだ生活を送る男が母親と名乗る女を試しながらも徐々に受け入れてゆくのに反し、女は謎めいた行動を取り始める。やがて女の真の目的が明らかになり、それを知った男の決断と衝撃のラストシーンが切なく印象的。
大石圭による2009年発表の官能ホラー小説の映画化。
産婦人科医と売れっ子M嬢。高校時代に隣家の男に拉致監禁され凄絶なトラウマを抱えたまま成長した主人公が送る二重生活。過去と現在、サディスティックな欲望とマゾヒスティックな願望が交錯する。見ていてとにかく痛々しい。
自らの不誠実が原因で妻を失い傷心の男が借りた人里離れた山小屋で起こる不可解な現象。
家というより周辺の土地の問題? 見入られたのかたまたま居合わせたのが悪かったのか。なんだかスッキリしない。
漢江から突如上陸した黒い両生類のような怪物に攫われた娘を助け出そうと奮闘する一家の姿。
序盤から怪物の全容を見せる太っ腹演出。怪物(グエムル)に攫われた娘も、それを助け出そうとする父、祖父、兄、姉もそれぞれのやり方で戦いを挑む。怪物由来の未知の病原菌をめぐる隔離や消毒の光景などは、コロナウイルスが蔓延する今の世界とどこか重なる。
映画館という装置。大きな画面、最適に整えられた色調と音響、暗闇とさざめきの独特な空間。
劇場で観る映画は心への浸透力が違う気がする。観る側の集中力の差もあるのかもしれないけれど。
映画館へ足を運ぶ、家で気ままに観る、全く別モノでどちらも捨てがたい。どちらも選べる今を楽しみつつ、これからも劇場でも小さな画面でも、たくさんの作品を味わいたい。
finish
▼筆者紹介▼
- a writer:ミチル
- 属性:Sexually fluid
- ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている
▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
www.netritonet.com
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Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
記事の掲載ありがとうございました。
今回のシンクロナイズドに共鳴しますと
- 『長いお別れ』と言えばレイモンド・チャンドラー
-
『サイレン』と言えば 原作がゲームの映画
です!
「ピエタ」なんだか可愛らしい響きですね。
ひとつ勉強になりました。
ちなみに「ぺこぱ」は韓国語で「お腹が空いた」って意味です。
今月は読書が全然できなかったなぁ。
来月からは食事・睡眠・読書って具合に限りある時間を読書に突っ込みたいと思います。
来月は2021年、つまり来年ですね。
2020年も大変お世話になりました。
今までにない年になりましたが楽しい年になりました。来年もまだまだ先がみえませんが一歩一歩邁進して参りたいと思います。
応援よろしくお願いします!!
ぬっきー