月初に人生初の大腸内視鏡検査を体験し、月末から青髪化をゆるゆる始めた2021年2月のまとめ。
- スペース・コインランドリー図書室
- あれこれ考えて、一周まわって、今回はシンプルに。ああ、美味しいウイスキーボンボンが食べたい。
- finish
- Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
スペース・コインランドリー図書室
今回のシンクロ・ポイントは… < 他者の体温 >
ここで語られる他者の体温とは、どちらも女性が感じた男性の体温。
肌寒い季節は人肌恋しい季節でもあり、そんな時期が引き寄せた2冊。
1匹の雉猫に導かれて出会い、関係を持つ夫のある女と妻子のある男。女の側からと男の側からの言い分が食い違うのはままあること。ふと愛などあろうとなかろうと誰かの体の熱さを感じてみたくなる。
タイトルと装幀からずっと気になっていた。大人だからこその恋に対する時めきや揺らめきや躊躇いなどが綴られた「体温」「秘密」「単身者たち」の3作品を収録。
その他、読書感想(読んだ順)。
2004年の出版なので、ジェームズ・ブラウンもプリンスもマイケル・ジャクソンもまだこの本の中では生きている。大腸内視鏡検査をうけるため控室で2Lの下剤を飲みつつロックスターの伝説を読み耽る。時代的なこともありもうこんな伝説は生まれないんじゃないかなあ、と思いながらひたすら自分の順番を待つ。
母国の韓国を離れ渡仏、あえて韓国語を封印してフランス語で綴られた孤独や不安や寄る辺なさ。なぜフランス語を選んだのかは定かではないけれど、その言語だからこそ入るスイッチがある感覚は分かるような気がする。自分の中の思わぬ何かが釣られて出てくるような読後感。
ずっと読みたくて、やっと手に取った。しかかわいい。中学校の修学旅行で早朝カポカポという音で目覚めて窓を開けたらしかたちが朝もやの中を歩いているのを目にして以来しかが気になる。しかと共存する奈良、魅力的だ。
ぬ「京都行きたいな。中学生の修学旅行で行った切りだな。鹿せんべい買ったな」
装幀とタイトルに惹かれて手に取り、「せれながリアンに恋をしたのは、」という甘めな書き出しで始まるこの本の中に散りばめられた予想外の壮絶さ!よく壊れずにここまで生き延びてこれたものだ。いやすでにもう壊れているのかも。だとしても誰も彼女を責められない。タイトルの『コンジュジ』とは、ポルトガル語で配偶者の意味。この作家さんの作品、今後も追ってゆきたい。
日々のこと、ツラいこと、うれしいこと、切ないこと。痛みもトキメキも誰かと交わした言葉も、いつしか薄れて朧になってゆく。だからこそ書き留める。読み始めると止められない。随所に挟まれる画や写真もステキ。
「覚えておいてね」「血のつながらない親族」大家さんの人生や戦争の話。たとえ事実そのままではなくてもキャラクター化した大家さんであっても今回も心に沁みる。
ぬ「2021年は漫画描きたいな」
日米欧25企業の栄枯盛衰。後から考えれば…とは思えても、その最中は必死のはず。続けてゆくって本当に難しい。
5篇の不穏な連作集。ここでの不穏は怪異よりも人間の怖さ系が強め。読んでいる間は1話1話に引き込まれるものの読み終えるとすべてが夢だったんじゃ…というような印象に変わる不思議な1冊。
化粧品会社の美人OLが殺害され、事件をめぐって飛び交う多分に主観の混ざった意見や無責任な憶測。本編では容疑者周辺の同僚、同級生、地元住民の主義主張や容疑者本人のモノローグ、その後の流れや事件の真相はSNSやブログ、週刊誌や新聞の記事などで明かされてゆく趣向。なかなか面白かった。
ぬ「↓映画化されてるぽいすな」
母や伯母たちや祖母を通して自分のルーツを辿ってゆける贅沢。我がことを振り返ると共に過ごしてきた時間のわりに親の人生やその時の思いを知らないことに思い当たる。コロナ禍の今、思うようには会えないけれどなるべく顔を見に行きたいと改めて思わされる。
以前、ネットで目にした「子宮摘出手術の立会人におっさんをレンタルした」という記事を読んで「おっさんレンタル」のことが詳しく知りたくなった。本書はレンタルしてみた方ではなく、「おっさんレンタル」を起業してレンタルされた側の日記。世の中には様々な選択肢があることを知る。
あれこれ考えて、一周まわって、今回はシンプルに。
ああ、美味しいウイスキーボンボンが食べたい。
finish
▼筆者紹介▼
- a writer:ミチル
- 属性:Sexually fluid
- ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている
Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
記事の掲載ありがとうございました!
コロナ禍は「他者の体温」が感じにくい。恋人と同士で手を繋いだり、酔った勢いでピーピーできない。むしろ他者を感じてしまうことに嫌悪するくらいです。他人の体温や呼吸を感じることは、感染することをイメージしてしまう。
なんだか心地悪そうな状況なんだけども、元々「他者の体温」みたいな「繋がり」とか言った意識は基本的に意識的に遮断したりコントロールしていた僕にとっては、これと言って不便がないのが現状。ノーマルを捨ててニューノーマルに生まれ変わることが求められている(ような気がする)けれども、元々ノーマルじゃない(アブノーマル)にとっては「だからどうしたのかしら」な緊急事態(だからと言って緊急事態を甘く見たりナメてかかっている訳ではないよ)。
*
2021年2月は何をしていたのか?
その前に2020年2月を振り返って見よう(なんで?)
・相田みつを美術館へ行った。
・陶芸体験で茶碗を2個作った。
・ライフワークとなるであろうLINEスタンプを作り始めた。
・ミックスバーへ行った。
・平手ちゃんが欅坂46を脱退した。
まだギリコロナ禍前。
そんで2021年2月
・au Payを活用し始める。
・左上奥から2番目歯、歯折&抜歯。
・給湯器が壊れる。
*
腸内視鏡検査し、青髪化し「自己の体温」に向き合ってるのでは?
僕も歯折&抜歯の経験は自分の身体との遭遇でした。
ぬっきー