マイクロウェーブ(レンジで作る)ポップコーンがマイブームの、2021年4月。
いくつか食べた中にスゴい匂いのモノが!ブルガリア産のチーズ味で、家中が異臭騒ぎ寸前の凄まじさ。だけども食べると…あれ?塩味???
で、調べてみると、どうやらベジタリアン向けの商品で、乳製品は使わず香料でカバーと……なるほど、どうりで強烈な匂いのわりにチーズの味がしないわけだわ。
嗅覚でフレーバーを味わう・補う系?新しい(笑)。そんな4月の読書感想。
ミチル
ぬ「なんだかよく分かりませんが、学びがあり楽しそうで平和です」
- < ブロンドとブルジョワ >
- 【ブロンド】
- 【ブルジョワ】
- その他、感想。
- 実はまだあと2つある件のチーズ味。
- できることなら自分の家じゃない場所の電子レンジで作りたい。笑
- finish
- ▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
- Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
スペース・コインランドリー図書室
< ブロンドとブルジョワ >
今回のシンクロ・ポイントは以下の2つ。
- ブロンド
- ブルジョワ
先ずは2つのシンクロのどちらにも当てはまる
『キングコング・セオリー』 ヴィルジニー・デパント
2006年刊行のフェミニズム・ エッセイ。#MeToo 運動をきっかけにフランスで再注目される。
まず本書に添えられた、彼女の写真(モーターヘッドのタンクトップを纏い不機嫌な顔で明後日の方向を睨んでいる)がいい。そう、彼女は怒っている。そして彼女は言う「特権とは、そのことを考えるか考えないかの選択肢を持っていること。私は、自分が女であることを忘れることができないが、自分が白人であるということを忘れることができる。」ジェンダー、人種、その他さまざまな彼女の怒りに共感できること多数。ちなみに日本での出版は2020年11月。
【ブロンド】
『キングコング・セオリー』/『世界は救えないけど豚の角煮は作れる』
かたやフランスの成人女性が人生における手段として、かたや日本の女子高生のひと夏の憧れで、自分の髪をブロンドにする。細かいことはさておいて、いいなー、ブロンド。
そして、もし何の制限もなく、手入れも手間もかからないとしたら、自分は何色の髪にするだろう、とふと思う。せっかくなら、ありえないような色がいい。
ぬ「やっぱりブロンドは自由の象徴だと思います」
『世界は救えないけど豚の角煮は作れる』 にゃんたこ
エッセイがその人への初の入り口だと、いつも感じる〝見知らぬ人の日記をこっそり読む心地〟。
「角煮」「ブロンド」そして猫系の名前、これらのワードだけで手に取る要素は個人的にはもうバッチリ。自分の遠きそれよりも人様の直近の青春を覗き見る面白さ。後半に収録されている短編の「沈む熊」もよかった。
ぬ「世界は救えないけどビールは飲める」
【ブルジョワ】
『キングコング・セオリー』/『小春日和 インディアン・サマー』
前者ではどちらかというと否定的なニュアンスで、後者ではどちらかというと肯定的なニュアンスで発せられる言葉。
資本主義社会の中にいればお金はないよりあったほうがよいけれども、生まれる環境は選べるはずもなく。
ぬ「僕はブルジョアでもヒッピーでもなく、ボボズ志望の下等遊民です。笑」
『小春日和 インディアン・サマー』 金井美恵子
一浪して大学に入るとともに東京に住む小説家のおばさんのマンションに同居、気の合う風変わりな友人と出会い、父親に同性の愛人がいることを知り、解説では吉本ばななの『キッチン』も引き合いに出される、長閑な少女小説。なんだか良い。彼女たちの10年後を描いた姉妹編も出ているので続けて読もう。
▼続編▼
その他、感想。
『本にまつわる世界のことば』
温又柔、斎藤真理子、中村菜穂、藤井光、藤野可織、松田青子、宮下遼
ショートストーリーやエッセイ、イラストと共に紹介される各国の「本にまつわることば」と作品の数々。世界は広い。紹介されている作品の中に気になるものアリ。
『終わりまであとどれくらいだろう』 桜井鈴茂
併録の「アヴェ・マリア」は言いたいことはわかるのだけれど女性の扱いが雑だなあという方に気持ちが傾く、けれど表題作の「終わりまであとどれくらいだろう」は出てくる男女6人がもれなく破綻していて好みの感じ。桜が咲き乱れる東京で絶望に拍車をかける6人の行末を、現実に咲く桜を見ながらただただ眺め読む。
ぬ「2021年の桜も去年と同じくらいのはやさで去って行ったなぁ」
『詩文集 生首』 辺見庸
生首が天翔る入江に上がる水柱を見ながら、のけ反る女のまっ赤なマニキュアの人さし指が指し示す松林の砂原を這いぬけて影の海へ辿り着くと、そこにはすっ裸でうつぶせの屍体が口から熟れて真っ赤な酸漿をこぼしながら腐れゆく。静寂とともにじっくり味わうのがよい詩文集。
『完全犯罪の恋』 田中慎弥
「私の顔、見覚えありませんか?」突然現れたのは、初めて恋仲になった女性の娘、彼女にはある目的があった。作中では川端康成と三島由紀夫がその死を絡めて幾度も語られるけれど、読みながら夏目漱石の『こころ』を思う。作中、娘が小松菜奈に例えられる。ならば母親は市川実和子がよい。
『堕ちる』 林由美子
ある平凡な主婦の悩みは、娘の教育費の工面。貯金は果て、夫の給料は減る一方。そんなある日、近所で女子高生の制服盗難事件が発生し、犯人は夫なのではないかという疑念に駆られはじめる―。
最後の最後までピタゴラスイッチ的展開が施されていて飽きさせない。この親子が「普通」を手に入れられる日は来るのだろうか…。
『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』 塙宣之、聞き手:中村計
関西芸人と関東芸人の対比のみならず、男性芸人と女性芸人に求められるものの違いや各芸人の強みや弱みなどが非常にわかりやすく面白く書かれている。「漫才バイブル」に偽りなし。
ぬ「お笑い好き(仮)としては読まねば」
実はまだあと2つある件のチーズ味。
できることなら自分の家じゃない場所の電子レンジで作りたい。笑
finish
▼筆者紹介▼
- a writer:ミチル
- 属性:Sexually fluid
- ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている
▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
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Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
記事の掲載ありがとうございました!
僕の最近の密かな「怒り」は弟の入浴時間が30分越えと長いことです。
シャワーのくせに、風呂場でなにしてんの?MAX15分ではないのか?
しかしながら、そんなことは個人の自由であり、ただ僕が入りたいタイミングを阻害されているだけなので、本人に怒りをぶつけたことはありません。
ぬっきー