アメリカで「ブルードX」と呼ばれる周期ゼミが大量発生。
他にも周期ゼミはいたらしいけれど周期がカブって交雑が進み絶滅したのだとか。「ブルードX」は17年周期、恐るべし素数ゼミ。そんな周期エリートたちがアメリカの樹木を覆いつくしているであろう、2021年5月の映画感想。
- スペース・コインランドリー視聴覚室
- 冒頭の「ブルードX」を現地の人は食べているとかいないとか、人間ってたくましい。
- 個人的には昆虫食は無印良品のコオロギせんべいあたりから始めてみたい。
- finish
- ▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
- Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
スペース・コインランドリー視聴覚室
今回のシンクロ・ポイントは
< 欲望と依存 >
『ソフィー・マルソーのSEX,LOVE&セラピー』と『快楽を貪る本能』。
フランス語圏の40代半ば~後半の女性たちの欲望。前者は欲望を抱いた相手には誰彼構わず迫りまくり、後者は研究にかこつけて自分の欲望をひたすら満たす、両者とも見境なく手当たり次第。
フランス語圏の大人の女性ってこんなラテン系な感じの人が多いのだろうか?それとも病んでいる?あるいは、ある種のミッドライフ・クライシスとか?などいろいろ気になる。
それにしても、日本でのソフィー・マルソー人気はある世代にはまだ絶大。彼女の出演作の邦題に「ソフィー・マルソーの~」から始まるものの多いこと。まあ、今回の作品も例にもれずそれに釣られて観たのだけれど。
ぬ「欲望=依存 (?)」
以下、感想(観た順)。
『フィッシュマンの涙』 (2015年/韓国)
新薬治験の副作用で徐々に魚化してゆく青年の悲哀を描く、韓国製の異色青春モンスター映画。
魚化した青年は一躍時代の寵児となり、やがてメディアは手のひらを返し、どこの世界でも似たような末路を辿る。周囲の人々の思惑に翻弄され続けた青年だけれど、最後の決断で幸せを手に入れたと思いたい。ある意味ファンタジー的でもあり、マグリットの『共同発明』的でもある。シュール。
ぬ「フィッシュマンは何を食べるの?」
『鍵泥棒のメソッド』 (2012年/日本)
凄腕の殺し屋・コンドウと三文役者の桜井が銭湯でのアクシデントをきっかけに入れ替わり―。
何より印象的だったのは桜井の住む散らかり放題のアパートが、自分を桜井だと思い込んだコンドウが生活し始めるとみるみる整ってゆくこと。例えば、住む人=脳や魂、家=体だとしたら、それを取り換えることにより、どんな劇的変化が人間に現れるのだろうとか、全然関係のないことを考えてしまう。
『ソフィー・マルソーのSEX,LOVE&セラピー』 (2014年/フランス・ベルギー)
ソフィー・マルソー主演のラブコメディ。原題の直訳は「あなたはそれが欲しいかどうか」。
40代半ば~後半と思しき男女(男:セックス依存症で禁欲中/女:セックス依存症で衝動に身を任せながら生きている)の恋愛模様。日本ではこういうのは難しいだろうな(作るのも、ウケるのも)と思っていたら日本劇場未公開とのこと。愛と欲望の見極めはいくつになっても難しい。エンドロールで流れる曲が気になって調べるもわからず。
『君の名前で僕を呼んで』 (2017年/イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ)
1980年代のイタリアを舞台に描く、17歳と24歳の青年が織りなすひと夏の情熱的な恋の行方。
アンドレ・アシマンの同名小説をもとに映画化。83年、夏。家族に連れられて北イタリアの避暑地にやって来たエリオは、大学教授の父が招いた大学院生のオリヴァーと出会う。限りある時間の中で思いを深め合う2人も素敵だけれど、理解あるエリオの両親の存在がとにかく素晴らしい。懐かしい時代と音楽、美しい景色も印象深い。
『バッカス・レディ』 (2016年/韓国)
バッカスは韓国版のリポビタンDのことで、老人が集う公園でこれを売りながら主に中高年の男性に対し売春をしているおばさん・おばあさんのことをバッカス・レディと呼ぶ。
死ぬほど上手と噂の高齢者向けの売春婦ソヨンが、ある日生きるのが辛いと告白する客の哀願を聞き同情、上手に死なせてあげる方法を思いつく…。ソヨンは売春しないと生きてゆけなくても同年輩の男性には買春できるお金がある。バッカス・レディは背景にある年金問題などとともに韓国で社会問題になったらしい。
『快楽を貪る本能』 (2018年/カナダ)
表の顔は大学で「エクスタシーを感じる時の皮膚細胞の変化」を研究する教授、裏の顔は色情狂。
大学で皮膚科学の研究をしている45歳のマリークレール。研究という名目を掲げつつ夫、同僚、教え子、バーで知り合った男などと貪欲に隙あらばセックスしてゆく。ちょっと病気ぽくも見えてくるけれど、彼女の白髪の母親もローティーンの娘もみんな「その手の人たち」なので、これは血筋かも?
『スティーヴン・キングは殺せない!?』 (2012年/アメリカ)
スティーヴン・キング・パロディホラー。これって新ジャンル!?
スティーヴン・キングの邸宅があるらしいと噂される町で暮らす奇妙な住人たち。その町を訪れたPTSD気味の帰還兵青年とその妹、帰還兵の元彼女、自称モテ子の色気女子、白人女性大好き黒人青年、Sキング・オタクのゲスい童貞青年。6人に次々と襲いかかる正体不明の殺人鬼。その殺しの手口がキングの小説そっくりで…。キングの作品を網羅していたらもっと隅々まで楽しめるのだろうな。
ぬ「○○は殺せない、もなんかのパロディな気がするんだけど、何か分からない」
『ブラザーズ・クエイ短編集 I』 (1979-1985年/イギリス)
ダークなビジュアル・イメージで世界中の映像・ファン、アート・ファンを虜にする、一卵性双生児のアニメーション作家ブラザーズ・クエイによる短編作品集I。収録作品:人工の夜景―欲望果てしなき者ども/ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋/ギルガメッシュ叙事詩を大幅に偽装して縮小した、フナー・ラウスの局長のちょっとした歌、またはこの名付け難い小さなほうき「ヤン・シュヴァンクマイエルの部屋」と「ギルガメッシュ叙事詩を~」が好み。
ぬ「区営兄弟」
冒頭の「ブルードX」を現地の人は食べているとかいないとか、人間ってたくましい。
個人的には昆虫食は無印良品のコオロギせんべいあたりから始めてみたい。
finish
▼筆者紹介▼
- a writer:ミチル
- 属性:Sexually fluid
- ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている
▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
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Written by NUKKI <パラサイト・コインパーキング編集部>
記事の掲載ありがとうございました!
昆虫食に全く抵抗は無い。
と言うと嘘になるけど、抵抗感は平均より低いと思う。ほんのちょっとは抵抗がある(踊り食いの場合)。
そもそも、なぜ抵抗感が生まれるのか不思議でしょうがない。理解に苦しむ。
食べてことの無いものに対して、勝手に想像して拒絶反応を起こすのか?
うまいもまずいも分からない。
僕は想像力が乏しいのかもしれない。
おはぎにマヨネーズをかけて電子レンジで3分チンしたものが食べれるか食べれないかも分からない。
なんとなく想像すると、気持ち悪い感じはする。
けれども味が想像できないので、気持ち悪いのかは正確なところはわからない。
美味しいんと想像することもできる。
セミだって唐揚げ、天ぷら、高温の油で調理してカラッと揚げたら、ビールぐび飲みだと思える。
あと、
「嫌悪感を覚えるのは、依存性があるから」と言う僕の持論があります。
同性愛に嫌悪感を示す人はそこで生じる快楽に気がついている。さらにはあまりにも心地よくて依存性があることも本能的にわかっているのはな無いか。
昆虫食に嫌悪感を示す人は本能的には虫の美味さを知っていて、依存性にも気がついている。
一度食べたらやみつきになってしまい依存し抜け出せなくなる。
昆虫食の場合、虫=気持ち悪い、で終わってしまってるのがほとんどだと思うけど。
けど、ブルードXは美味しいと思う。絶対に美味しい。
17年と言う周期の熟成がとんでもない臭気(シュウキ)を漂わせている。人間の17歳を想像する。うむうむ。
乾燥させて粉にしたら冬虫夏草じゃ無いけど漢方的な役割や、マジックマッシュルームみたいに薬物的な部類で闇取引されてるんじゃないか。ブルードXビジネスはブルード・レディを生み出す。しょんべんをぶちかまされる。もしくはバイアグラのような効果があり17年おきに老若男女ヤリヤリ祝祭。
逆にむちゃんこ不味い可能性もある。17年ごとの通過儀礼で吐くほど不味いブルードXを食べて大人になる現地の人々。
てか、17年てなかなかの時間の塊である。
17歳だった少女は34歳になるわけで。
てかてか、九九の17の段を小学生の時に覚えさせられてたら人生を放棄してると思う。
ぬっきー