さて、
石垣で作られたブドウ園の独自の景観。
(登録理由)
世界遺産
ピコ島のブドウ園の景観 〜 石垣8000km!大西洋の火山島2004年登録ボルトガル
大西洋の火山島『ピコ島』
ポルトガル本土から1600kmのアゾレス諸島に『ピコ島』があります。
ピコ島の『ピコ』とはポルトガル語で「山の頂き」です。
直訳で「山の頂き島」 。遠く離れたところからでも、お山の先っちょが見えるのだと思います。それもそのはず、ピコ島にはポルトガル最高峰の『ピコ山』があります(ピコ島はピコ山でできていると言っても過言ではなさそう)。
ピコ山
- 現在も活動している火山。
- 2351m(ポルトガル最高峰)。
- 18世紀の噴火を最後に噴火はしていない。
- 山頂では溶岩の隙間から熱い蒸気が噴出している。
「ピコ」と聞いて真っ先に思いつくのは「ピコ太郎」。こんな安易な脳みその自分を嫌いになってはいけない(と信じています)。
PPAP、ペンパイナッポーアッポーペンでyoutubeから火がついて紅白歌合戦にも出場。ぼくは未だに口ずさむこともあります。
ポルトガル的に言えばピコ太郎は『山頂太郎』だと言える。当時はyoutubeでも異常な再生回数を叩き出したし、いろんな人が真似してやっていたし、ある意味トップになっていました。
PIKOTARO - PPAP (Pen Pineapple Apple Pen) (Long Version) [Official Video]
PPAP Long Version: Piko Taro with Ryuk (Death Note)
リュークのはかなり好きです。笑
ブドウ園
ピコ島西部、ピコ山の裾野にはブドウ園が広がっています。
ブドウは8割がワインになります。収穫されたブドウは各農家がそれぞれに加工するのではなく『ピコワイン醸造協同組合』(大きな工場みたいなところ)に運ばれ、その日のうちに一緒くたに搾られるます。
このブドウ園がまさに世界遺産なんですが、なにがすごいかと言えば人の手で積み上げた石垣なんと8000km続いているからです。
石垣は6m×3mを1区画として、そこに数本のブドウが植えられています。石垣の高さは1mでセメントなどの他の材料は使用せずに石をだだ積み上げただけ。石垣で区切るのは珍しいそうです。
なぜ石垣を作るのか?
それは美味しいワインができるからです。
そもそもブドウがピコ島で育てられるようになったのは、15世紀大航海時代ポルトガル人がブドウを持ち込んだからです。そのポルトガル人はキリスト教の修道士でして、ブドウを育て収穫し修道院でワイン作りを始めました。以来500年以上ワイン造りが続いています(ワインはキリスト教においてキリストの血と言われています )。ピコ島でできたワインはロシア皇帝も愛した高貴なワインと言われています。
ブドウの栽培は海岸沿いが適していますが潮風は大敵です。そこで石垣で潮風から守り木が傷つくのを防ぎます。そのため木自体も低く地を這うようにブドウがなります。
防風だけでなく石垣が太陽で温めれることで、畑の気温が上がり夜でも温かくブドウが早く熟すのにも石垣は役立ちます。
しかし石垣があることで迷路のように狭い通路が続いており機械、ロバも使えないため作業は重労働。島の男はカゴを頭に乗せて運んでいたので首、足、腰が強く、姿勢が良いそうです。
石垣ってなに?
石垣は大小様々な黒い岩でできています(大きくても人が運べる大きさなので30cm強くらい)。お気づきかと思いますが、その黒い岩は『溶岩(玄武岩)』です。火山島ならではの資源を有効に活用している訳です。ブドウが岩の割れ目に根を張ることで、溶岩から栄養を吸収するので良いブドウができるのです。溶岩がブドウを守り・育てるのです。
建物(住宅、礼拝堂)にも溶岩を使用するほどピコ島民は火山と共に生きるていて、ワインはまさに火山の恵みのワインなのです。
メモ
- 荷車が通った1.5m2本の筋が海岸沿いにある。
- 大西洋に浮かぶファイアル島:
港があり領主、貴族が住んでいた。
ピコ島には港がなかったのでファイアル島が中継地だった。
p.s...
「噴火はしていないとは言え、火山があるのでピコ島では地震はないのか?」と思うのは地震大国日本の住人ならではの疑問でしょうか?
ピコ島で地震があればブドウ園の手作りの石垣は直ぐに崩壊してしまいそうです。
けれど富士山、阿蘇山、箱根山があるから地震があるのではなくプレートの問題なのでしょうか?
参照
世界遺産 (ユネスコ) のピコ島のブドウ園文化の風景
end...
おおぬ菌
ピコ太郎コスチュームセット