ねっとりとネット

ねっとりとこびりついた「ねっとり」をねっとりと、ネットへくっつけるネット。

Written by MICHIRU〜2020年3月号番外編【『短編画廊 絵から生まれた17の物語』スペース・コインランドリー図書室】

 


印象深い本を読んだので、 月のまとめとは別に書き残しておこうと思う。
その本とは、S・キング他、文豪たちがエドワード・ ホッパーの絵から物語を紡ぐアンソロジー。

 

 

ミチル

 


『短編画廊 絵から生まれた17の物語』 

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エドワード・ホッパーの絵はむかしから好きだ。

彼の数々の絵をもとに紡がれた物語が集められた『短編画廊』 は贅沢な試みだと思う。
日本でもこういう試みがあったら面白そう。

 


収録作品の中では、

  • 「ガーリー・ショウ」(ミーガン・アボット)
  • 「キャロラインの話」(ジル・D.ブロック)
  • 「海辺の部屋」(ニコラス・クリストファー) 
  • 「音楽室」(スティーヴン・キング) 
  • 「窓ごしの劇場」(ジョナサン・サントロファー)

あたりが好み。

 

 

「 オートマットの秋」のアップル・ クリスプ


そして本書の企画者でもある、ローレンス・ブロックの「 オートマットの秋」の中に出てくるアップル・ クリスプの描写が美味しそうで、そそられる。

 

 

▼「 オートマットの秋」 ▼

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 彼女のすぐ右側のテーブルの男性はコーヒーとデザートを交互に口 に運んでいた。デザートはアップル・クリスプのように見えた。 彼女はデザートのことまでは考えていなかったのだが、眼にしたと たんに食欲に火がついた。最後にアップル・ クリスプを食べたのがいつだったか、思い出せなかった。それでも その味は――酸味と甘味の完璧なバランスと、 クリスプの部分の甘くてさくさくした食感は―― 今でも覚えていた。

 アップル・クリスプはいつでもその店にあるものではなかった。 そのことが彼女に訴えかけてきた。食べられるときに食べてはどう かと。右奥のデザートコーナーに行きさえすればいいのだ。 それでその宝物のような食べものが手にはいる。

(本文より、 一部抜粋)

 

 

 


不要不急の外出を自粛している只中。

丁度良いことに手元には、 先日買ったメルバのアップルパイクッキーがある。

コーヒーを飲み、クッキーを齧りながら、オートマット( 自販機食堂)の風景に思いを馳せてみる。

 

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finish

 

▼筆者紹介▼

  • a writer:ミチル

  • 属性:Sexually fluid

  • ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている

 

 

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Written by ISAMU <パラサイト・コインパーキング編集部>

 

エドワード・ ホッパーの絵には華やで装飾的な物に囲まれて不自由の無い生活(そうな)を過ごしている人たちの孤独と静寂が描かれています。ボンヤリとしているような、なんだかハッキリと鮮明に思い出せるようなタッチが魅力です。

その孤独と静寂加減は外出自粛を呼びかけを受け、静かになっている街のようです(絵の中の人々は一定距離を空けていますがマスクはしていません)。

「 オートマットの秋」の食堂のように自販機&空いていれば、感染のリスクは少ないですね。

 

 

僕が齧るのはソイジョイです(グルテンフリーなもんで)。笑

 

 

天貫勇 「書評やレビューみたいなカッコイイものじゃ無くて良い」