印象深い本を読んだので、 月のまとめとは別に書き残しておこうと思う。
その本とは、S・キング他、文豪たちがエドワード・ ホッパーの絵から物語を紡ぐアンソロジー。
ミチル
『短編画廊 絵から生まれた17の物語』
エドワード・ホッパーの絵はむかしから好きだ。
彼の数々の絵をもとに紡がれた物語が集められた『短編画廊』 は贅沢な試みだと思う。
日本でもこういう試みがあったら面白そう。
収録作品の中では、
- 「ガーリー・ショウ」(ミーガン・アボット)
- 「キャロラインの話」(ジル・D.ブロック)
- 「海辺の部屋」(ニコラス・クリストファー)
- 「音楽室」(スティーヴン・キング)
- 「窓ごしの劇場」(ジョナサン・サントロファー)
あたりが好み。
「 オートマットの秋」のアップル・ クリスプ
そして本書の企画者でもある、ローレンス・ブロックの「 オートマットの秋」の中に出てくるアップル・ クリスプの描写が美味しそうで、そそられる。
▼「 オートマットの秋」 ▼
彼女のすぐ右側のテーブルの男性はコーヒーとデザートを交互に口 に運んでいた。デザートはアップル・クリスプのように見えた。 彼女はデザートのことまでは考えていなかったのだが、眼にしたと たんに食欲に火がついた。最後にアップル・ クリスプを食べたのがいつだったか、思い出せなかった。それでも その味は――酸味と甘味の完璧なバランスと、 クリスプの部分の甘くてさくさくした食感は―― 今でも覚えていた。
アップル・クリスプはいつでもその店にあるものではなかった。 そのことが彼女に訴えかけてきた。食べられるときに食べてはどう かと。右奥のデザートコーナーに行きさえすればいいのだ。 それでその宝物のような食べものが手にはいる。
(本文より、 一部抜粋)
不要不急の外出を自粛している只中。
丁度良いことに手元には、 先日買ったメルバのアップルパイクッキーがある。
コーヒーを飲み、クッキーを齧りながら、オートマット( 自販機食堂)の風景に思いを馳せてみる。
finish
▼筆者紹介▼
- a writer:ミチル
- 属性:Sexually fluid
- ペット:白玉という名の猫を妄想で飼っている
▼ Written by MICHIRU:過去記事▼
www.netritonet.com
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Written by ISAMU <パラサイト・コインパーキング編集部>
エドワード・ ホッパーの絵には華やで装飾的な物に囲まれて不自由の無い生活(そうな)を過ごしている人たちの孤独と静寂が描かれています。ボンヤリとしているような、なんだかハッキリと鮮明に思い出せるようなタッチが魅力です。
その孤独と静寂加減は外出自粛を呼びかけを受け、静かになっている街のようです(絵の中の人々は一定距離を空けていますがマスクはしていません)。
「 オートマットの秋」の食堂のように自販機&空いていれば、感染のリスクは少ないですね。
僕が齧るのはソイジョイです(グルテンフリーなもんで)。笑
天貫勇 「書評やレビューみたいなカッコイイものじゃ無くて良い」